【しおんのストーリー⑪】第1章 最終話

しおんのストーリー

こんにちは、しおんです。

この「しおんのストーリー」では、私の40年以上の生い立ちの中で、とても衝撃的で強く印象に残ったできごとを紹介しています。

前回は、仕事や自分に不満をもちつづけ、その環境を自分で変えようとせず、自暴自棄におちいり、そんな鬱積した気持ちを抱えきれずに、仕事場を飛び出してしまったということをお伝えしました。

ロサンゼルスでの生活は、このストーリーでとうとう終わりを迎えます。

それではシリーズ⑪をどうぞお楽しみください。

※私のプロフィールをまだ読んでいない方は、ぜひこちらの
>>【プロフィール】海外で「コネなし」「仕事なし」「預金なし」「友人なし」で無一文になり復活をとげた、転職コンサルタント、カー・トレーディングアドバイザーの話しをご覧ください。

仕事場を飛び出してからの日々

仕事場を飛び出してからは、毎日が休日だった。最初の3日間くらいはいろいろなところに出かけ、「もう仕事にいかなくてもいい」という解放感もあり爽快な気分だった。

行くところといえば、図書館や美術館など、無料で長時間過ごせるところだ。

図書館にいっても英語の本が読めないので、児童コーナーにいき絵本などを辞書で訳しながら読んでいた。

週に一度、どこの図書館も同じ日に休館日がある。そんな日は一日ぶらぶらしたりする。ダウンタウンの周辺を歩いたり、遠くの街にバスででかけたり、黒人だけが住んでいる地域に行ってみたり、いろんな街を散策しアメリカ人の日常生活を垣間みた。

夜はホテルの部屋で、外で買ったもので食事をし、ビールとブランデーを飲みながらラジオを聞いて過ごした。

ホテルは同じ部屋を一週間ずつ延長していった。

それから一ヶ月くらい、ほとんど誰とも話さず、ぶらぶらとする生活をしていると、たまに孤独で打ちひしがれそうになった。

ある日、駅のプラットホームで電車を待っているとき、アジア系の10代後半くらいの歳の女の子が何かわからないことがあったようで、私に訪ねてきた。

これは「久しぶりに人と話ができるチャンス」とばかりに一生懸命会話をつづけようとした。

その女の子から「あるハンバーガー店で働いているの」と聞いたときは、「今度、そこに君をたずねていってもいい?」と聞いたりもした。

「あなたの顔を覚えていないから来ても意味ないわ」と女の子から軽く拒否された。

きっと私のことがストーカーっぽく、気持ち悪がったのだろう。

私は人とコミュニケーションすることに飢えていた。

そのうち、図書館が休みの日の過ごし方がなくなり、休館日が恐怖に感じてくる。どこにいっても、新鮮味がなくなり、さらに孤独を感じる。

「やることがないってこんなにもつらいことだったのか」としみじみと身にしみてくる。

一人になるのが好きだったのに、いざずっと一人きりになるとこんなにつらいことはない。

今思うと、ナンパでもなんでもすればいいのだけれど、そのときは「日本で役者になるのを断念したあとの挫折感」と、「仕事を逃げ出してしまった挫折感」のWパンチで何かを始めるという気もちが完全に萎えてしまっていた。

夜はホテルの部屋に帰って、狭い部屋で酒を飲みながらラジオを聴きつづける。毎日やることがなく、なんて孤独なんだと思う。

11月末になるとロサンゼルスといえども夜は肌寒くなる。ホテルの部屋の壁にはパネルヒーターが設置してあり、そのパイブの中に温水が流れると部屋が暖かくなるしくみだった。1時間に1回くらいの間隔で温水が流れてくるのだが、建物が古いため、たまに故障するのか温水が流れてこない日がある。

そんな日は寒さで凍えそうになる。さらにいつも一人でいることの孤独さで寂しさがこみあげてくる。

12月初旬

「退屈」と「孤独」と「虚無感」が日に日に強くなっていった。

どこで何をしても楽しいことなんてひとつもなかった。こうなるとわかっていたら、まだ仕事を続けていたほうがよかった。ボスから4000ドルするといわれた、永住ビザも取っておけば仕事をやめても別の仕事をみつけ、なんとかなったかもしれない。

仕事場から逃げ出したことは、人を裏切る行為で悪いことだが、さらにいけないのは自分自身を裏切ってしまったことだ。「役者になる夢を断念し」、そして「アメリカでビジネスをし移住をする夢」をも断念してしまった。

「なんてことをしてしまったんだろう」「取り返しのつかないことをしてしまった」「でももう逃げる前の、あの日に戻ることはできない」後悔しても、しつくせない気持ちでいっぱいになった。

これ以上、「退屈」と「孤独」と「虚無感」がつづくのには耐えられない。「もうだめだ日本へ帰ってやりなおそう」「そしてまだ訪れたことがない、京都のお寺や神社を見たい、、、」「もっと日本のことを知りたい」「もっと日本の良さを知りたい」「そうしてまたチャンスができたら戻ってくればいい」

と日本に帰るいい訳ともいえる、口実をつくり成田行きのチケットを買った。

2001年の12月中旬ロサンゼルスの地をあとにした。

ストーリー⑪ おわりに

願い事が叶ったあとの「反動」「試練」とは

こうして仕事を飛び出してしまったことで、一人になり、「退屈」「孤独」「虚無感」といった人間の本質的な非常に弱い面に直面することとなり、それに耐えられず「アメリカでビジネスをしながら移住をする」という、夢をあきらめ日本へと帰国してしまいます。

願い事が叶ったあとの「反動」に自分をうまくコントロールすることができず、その後、孤独で苦しくつらい体験をしたことで、私はその後13年間ものあいだ、「願い事」をするのを自ら封印してしまいました。

ロサンゼルスから帰国したあとの日本での13年間に及ぶ生活は、このロサンゼルスでのできごとのような衝撃と、人生観を一変してしまうことは一度としてありませんでした。

その13年間はまるで、目の前の光景がいつもグレーのフィルターを通して世界を見ている「試練」と呼べるような人生でした。

しおんのストーリー【第1章】エピローグ

このストーリーを書くことは、挫折したあのときのつらい気分を思い返すので、とてもためらいましたが、自分自身を整理したかったため、ハートがじわーっと熱くなりながら書きました。

「失敗があればこそ、次があります」

「人がなんといおうと、これは自分の人生であり、自分の世界なのです」

この挫折したことを肯定できるまでに、どれだけの年月がかかったんだろうと、いま振り返りながら思います。

以前誰かから聞いた、こんなことばを思い出します。

「人生にむだなことなどひとつもない」

本当にそのとおりです。今現在、現役世代の人で、「仕事をしていない人」や「ニート」や「引きこもりの人」は、どうかあまり心配しないで欲しいのです。今の自分の経験していることは、なに一つむだになることはありません。

そしていつか道はひらけます

今の人生がむだがないとわかれば、その一瞬一瞬がかけがいのない時間なのです。

あなたはなぜかわからないけど、この世に生まれてきた奇跡の一人なんですから、

意味がないと思うことでもいずれ

「あぁ、こーゆーことだったんだなぁ」

とわかる日が必ず来ます。

そして、あなたはその気づきの世界に入ったとき、傷ついてきた自分をなぐさめ、同じ境遇を抱えている人の気持ちがわかり、以前より優しくなり、「誰よりも輝いた自分」に出会うことでしょう。

「信じれば必ず願いは叶います!」

「そして感謝しましょう!」

しおんのストーリー【第1章】おわり

謝辞

仕事場を飛び出したことを思い出すと今でも胸が痛くなります。

私に仕事を紹介してくれた、「個別宅配のバイト先のお姉さん」、「仲介人の藤田さん」、修行をさせてくれた「蕎麦屋の主人」、レストランで私によくしてくれた「マネージャー」、友人同様に接してくれた、「シェフ」や「ウェイター」、「ウェイトレス」、「仕事仲間たち」、私のつくる日本食を食べにきてくれていた「お客さん」、デートに誘ってくれた「ミミ」、そして「ボス」とその「奥さん」とその「家族」、ボスの周りの「ビジネスパートナー」、そして夢を追いかけていた「自分自身」。

できることならみんなに一人一人会いにいき、面とむかって謝りたいのですが、月日が経ち過ぎています。それにいまさら会いにいっても、私のことを覚えているかどうかさえもわかりません。

ある人が教えてくれました。人間関係で嫌なできごとがおきて、相手のことをなかなか許せないときは「○○さんを許します」というだけで、責めている気持ちが消えていくのだと。

そして自分自身に対しても、「こんな嫌なことを起こした自分のことを許します」といえば、水に流してそのことをさっぱり忘れてもいいんだと。

一番いけないのが、ずっと引きずって怨念をためこむことだということです。

そうあの時、仕事場から逃げ出した身勝手な行為は許せることではない。でも過ぎたことはこれ以上責めてもどうすることもできない。

だから「私はあの時の自分を許します」

「私が迷惑をおかけしたみなさんどうか許してください」

「これからはこんなヤツのために優しくしてくれた人たち以上に、人に優しく、人の役に立つために生きていきますので」

「こんな私に関わっていただき、みなさんありがとうございました」

「神様、よい思い出をつくるきっかけを与えてくださり、ありがとうございました」

そして

「あのときつらい思いをした自分へ、ありがとう」

「みなさん感謝してます」

しおんのストーリーは【しおんのストーリー第2章①】アメリカで挫折し日本での13年間にも及ぶ「試練」のあと、再び好機を得るが、無一文へ人生転落の一途をたどる話しにつづきます。

前へ<<【しおんのストーリー⑩】アメリカでの移住の夢は消され、奈落の底へと突き落とされる

しおんの長いストーリーにおつきあいいただき、ありがとうございました。
第2章でもお会いしましょう。
でわっ!

コメント

Copied title and URL