前回の記事ではAのネットワークビジネスを始めた理由をお伝えしました。
今回はAのネットワークビジネスをスタートしてからやめるまでを紹介します。
この記事を書いている私は、世界的に名の知れているネットワークビジネス(MLM)の会社で半年間ほどビジネスをしたことがあります。
IさんからAのネットワークビジネスに誘われ、メンバーになりそれからの経緯です。
毎週私の住むM市からアップラインのIさんの拠点である隣の県のK市に、イベントとミーティングにバスで片道1時間30分かけて通いつづけました。
イベントとは
パーティーホールや式場などを貸し切り、そこでピンレベル(製品を多く流通するとピンレベルというタイトルの段階が上がっていき、ボーナスも多くもらえるようになる)の高い人の話をしたり、ピンレベルを達成した人の表彰式とその人達のスピーチがある。
参加費 500円~3000円 ピンレベルの高い有名な人(日本でAのトップ10に入るような人)のイベントの場合は高くなる。
イベントの目的は高いピンレベルの人のスピーチや表彰されている人たちをみて「自分もこうなるぞ」と奮い立たせるためと、ごくごくふつうの人がピンレベルのタイトルを取っているので「自分にもなれるかも」と思わせるためです(と私は主催者の意図をそうかんじます)。
ミーティングとは
オフィスや狭めのパーティー会場や自宅などで、アップラインのグループや系列の人達と混じり、ピンレベルの高い人から話を聞いたり、質疑応答がある。
ミーティングの目的は、主にふだん自分のビジネスのやりかたや考え方がずれていないか、アップラインやピンレベルの高い人から話をきいたりし、すり合わせするためです。
また、アップラインのグループと集まり、「同じレベルの人が一生懸命頑張っているからオレも」と思うようにです。
Aの製品について
Aのビジネスをする人達は2種類にわかれます。
1、以前から製品を使用していて、人からビジネスの話を聞かされ、Aってビジネスもできるんだ」とビジネスを製品のあとから知り始める人
2、製品をつかうまえに、先にビジネスを勧められ、Aのマーケティングプランにひかれて始める人、製品はメンバーになってから使いだす。
私は後者だったので、実際に製品をつかいはじめたのは、ビジネスを始めるのにメンバーになってからです。
Aの製品で特に違いを感じたモノ
Aの製品はどの製品も他社との違いがわかったり、効果が歴然として出たりとよいモノが多いです。
そのなかでも特につかってみておどろいたのが、食器用洗剤とプロテインです。
食器用洗剤
市販のモノを使っていて手荒れがよくしていたが、A社のをつかうようになり、それから手の肌が潤うようになりました。
プロテイン
真夏に肉体労働をしたとき、夏バテをして体じゅうに力が入らなかったのが、プロテインを飲んだらあっという間に復活したのです。また、ふだんから疲れやすかったのが、プロテインを習慣に飲むようにしたら、バテないようになりました。
ビジネスの形態もシンプルでわかりやすく、理論が整然としていて、誰もが平等に稼げるし、さらに製品もいいとなったら、「このビジネスを誰がやらないというんだ」と思い、製品のデモンストレーションとセールスマーケティングプラン(前回の記事でIさんが私に紙とペンでAのビジネスの仕組みを説明したこと)のやり方をすぐに覚え、それをすぐにひろうしようと知り合いにどんどん電話しまくりました。
Aの商品を人に紹介していくのが、このネットワークビジネスの要となるところです。
人にAの商品又はビジネスを紹介していく
電話をしてアポが取れたら、喫茶店や、相手の自宅や、自分のアパートでその人物と会います。
電話ではビジネスということを伝えずに会う約束をします。「ビジネスの話しがあるんだけど」というと大がいの人が会わずに電話で断るからです。
電話をしてアポが取れた人と会えたら、かるく世間話をし、いざAのビジネスを切り出すと人によって反応がいろいろ変わります。
急に機嫌をわるくして帰ったり、考えておくといわれたり、興味をもってきいたり、人それぞれです。
話を聞く態度を示している人には、製品のデモンストレーションをしたり、ビジネスの概要を伝えるマーケティングプランを伝えたりします。
わたしは友人と呼べる者がいなかったので、電話をしたのは、主に前の仕事でかかわった人たちです。
派遣社員のときの工場の同僚
飛び込み営業のときの同僚
ラウンジでバイトをしていたころのホステス。
ガールフレンドのスナックを運営していたときにかかわった人、業者。
その他新しく知り合った人
大物(おおもの)を買って本格的にビジネスを
ビジネスを初めて1ヶ月ほどして、アップライン(ネットビジネスでの紹介者のことをこう呼びます)のIさんの主人から勧められて、大物(おおもの)と呼ばれる、形だけでなく金額も大きい製品、浄水器、鍋のセット、フードプロセッサー、IH、を合計30万円ほど出して買いました。
IさんからはA社の歯ブラシを自分が紹介して、100人が定期的に買うようになったら、コンスタントにインカムが入りビジネスとして成立すると聞いていたのに、Iさんの主人の考えは違いました。
日用品だけでは、収入を得るのに時間がかかる、大物を買わないと人にも勧められない、自分の動きと同じことをダウンライン(自分が紹介しメンバーになった人のことをいいます)はマネする。だから買いなさい、みたいな感じで私に勧めるのです。
この点ではふに落ちない点がありましたが、早く結果がだしたかった私は、30万円もする製品を買うたくわえはなく、親にたのんでお金をかり購入しました。
大物を買ってからも、製品の知識を得たり、調理のしかたを覚えたりし、それをすぐにアポを取った人に伝えていきました。
平日は仕事が終わってから人に会い、日曜日はミーティング、イベントに参加し毎日Aのビジネスに関わることをし、成功に向けてのめり込んでいったのです。
Aのビジネスをやめた理由
活動を積極的にしていたせいか、そのうち勤め先の社員の身内の者が、「私がビジネスをしているところをみた」ということで社内でうわさが広まったのです。
それでも、今の会社にいても人生はかわらない、このビジネスで成功するとせつに思い活動をつづけました。
ある日、勤め先の社長に呼び出され、「しおんがビジネスをしているのをみたという人物がいるんだが、本当か?」聞いてきました。
会社で副業は禁止されていましたが、低賃金の会社でこのまま副業をせずずっと働けるわけがないと見限っていた私は
「はい」といい、
社長からその場で解雇の通知をされ、それを受け入れました。
そしてその会社をさりました。
会社が解雇になって無職になっても、「私はAのビジネスでぜったいに成功する」と信じていたのでまったく気になりませんでした。
仕事を辞めてからはその会社の顧客や業者にもどんどんアポを取って会いに行きました。
もう副業がばれるという心配をすることもなくなり、おおっぴらになりふりかまわず電話をし人に会いまくりました。
活発に活動しているのにあい反して、メンバーになる人や製品を購入する人は残念ながらほとんどいませんでした。
そしてそうこうしているうちにどんどんお金がなくなっていき、親から借りたお金も底をつきだし、「こうなったら仕事せなあかんわ」と就職活動を始めました。
Iさんの主人から、失業後も日曜日のミーティングに誘われ、それまで毎週必ずイベントに出席していたのが、お金の工面も大変だし、気分ものらないしで、「今回は行けないんですけど」というと、
「ミーティングに来なかったら成功しないよ」といわれ、「マジかここで諦めたらもう成功の道が閉ざされてしまう」という強迫観念にとらわれK市行きのバスに飛び乗りました。
就職先が車の買取店に決まり、そこで初めてIさんから誘われてもイベントには行かず、ビジネスを始める前は毎週のように行っていたO市へいき、海岸沿いに車を停め、夕陽が沈むのをずっと眺めていました。
毎週参加していたイベントに初めて行かなかったことで、「ああ、オレは今日さぼってしまったなぁ」と自責の念にさいなまれたが、なぜかほっとしてもいました。
そのころはもう、イベントやミーティングに参加して、同じグループの人と話すのが苦痛になっていたのです。
いままで半年間、毎週会っているのにもかかわらず、グループの仲間たちとうちとけず、なじめずにいて、行くのがいやになっていました。
さいわい、車買取店の営業の仕事に内定が決まり、休みも日曜日から水曜日になり、それをきっかけにIさんからの連絡も遠のくようになりました。
そしてもうミーティングに行くことなく、そのまま自然消滅みたいになり、私は挫折したような形でAのビジネスから遠のいていったのです。
ただし、製品は気にいっていて今でもずっと使っています。
まとめ
Aのビジネスがつづけられなかった理由が
お金
の点が大きかったのがわかっていただけたと思います。
もしお預金があったら、あのまま預金を切り崩してお金がつきるまで、ずっとつづけていたんだろうなぁと思います。
どのくらいお金がかかるのかというと、
毎週のミーティング交通費、地方M市からK市などへ行く高速バス往復代 5、000円/毎週 月20,000円
ミーティングで喫茶店などを利用350円/毎週 月1,200円
ピンレベルの高い人が出場する、大きなイベントチケット 月1回 2,500円/毎月
月2,500円
ミーティング 500円/毎週 月2,000円
アポイントを取ったさいに利用する喫茶店などのお茶代:350円 週3回くらい
月4,200円
とざっと計算しただけで29,900円もの出費です。
その他、製品は別に定期的に購入していく必要があります。。
月手取り16万円の給料で、アパートを借りて、車のローンも払っていいっぱいいっぱいだった私は、その他の出費があるととても厳しかったのです。
ピンレベルの高い人はメンバーになってから半年以内で収入が出はじめてたという人がほとんどというデータをみたが、「とてもとてもどうしたらそんなに、とんとんびょうしに上手くいくのか」というのが実際にビジネスをした感想です。
そこで成功している人たちはくちぐちに「成功している人と同じようにやればだれでも成功する」といっていたのですが、いやいやいやとてもマネはできません。
という訳で、私のようなへいへいぼんぼんの凡人は、収入がでて稼げるまではかなりの時間とお金がかかるということを、これからネットワークビジネスをはじめようか迷っている人にお伝えし今回の記事を終わらせていただきます。
次回はAのビジネスについてです。
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